笑顔でさよならを

8月末日――…


月日が流れるのは早い。


蒼大と別れてからも、留学の準備で慌ただしく過ごしていた。


そして、今日、私は日本を発つ。


見送りには、両親とお兄ちゃん。


そして、高校の時からの友達が来てくれた。


「繭花ー!寂しいよぉー」


胡桃は私に抱き着き、涙目で言う。


「胡桃……。一生の別れじゃないんだから、泣かなくても……」


胡桃の彼氏、五十嵐が、そんな胡桃をなだめている。


「そうだよ。1年経ったら帰って来るんだからさ」


私はにこっと笑って胡桃の頭を撫でる。


「繭花、頑張ってね!」


若菜が笑顔で言う。


その隣で、若菜の彼氏の水沢も笑っている。