笑顔でさよならを

「違うの……。それだけじゃないの……」


蒼大を見ると、優しい表情で私を見ている。


「蒼大がいると、辛い時、蒼大に甘えそうだから」

「いいよ、甘えて」


そして、私の頬にそっと触れる。


だけど、私はそっとその手を払い


「ダメなの。私、何があっても一人で頑張りたいの。私のワガママなのはわかってる。だから……、本当に、ごめんなさい……」


私はひたすら謝る。


謝ってすむ話ではないけれど。


そんな私の頭を蒼大は優しく撫でる。


「わかったよ。繭花、頑張れよ!」


蒼大は笑顔でそう言ってくれた。