笑顔でさよならを

「はぁっ!?」


蒼大はすごく驚いている。


そりゃそうだろう。


私、そんな素振りは見せていないから。


だって、私のワガママで“別れ”を決めたけど、本当は今でも蒼大の事が好きで、蒼大と一緒にいる事は、すごく幸せな時間だったから。


「繭花、どういう事?」


蒼大は私の両肩を掴む。


「私のワガママなの……」

「それだけじゃ、わかんないよ」


私の肩を掴む蒼大の手の力が強くなる。


「俺の事、嫌いになった?」


私は首を振る。


本当はここで“嫌いになった”って言った方がいいって事はわかっている。


だけど、“蒼大の事が嫌いになった”なんて、嘘でも言えない……


「ねぇ、繭花。顔上げて?俺の顔、ちゃんと見て?」


そう言われ、私は顔を上げる。