笑顔でさよならを

「どうせ俺の事、一人の男として見ていないだろうから諦めようとした。だけど、なかなか諦められなかった。諦めようとする程、反対にもっと好きになっていった。
それに、俺、本当は自分の気持ちを繭花ちゃんに伝えるつもりなんてなかった。繭花ちゃんは4つも年下だし、きっと俺の事“蓮の友達”としてしか見ていないだろうから。

だけど、繭花ちゃんは高校に入ったら寮に入るし、もう会えなくなる。だから、今日、せっかくデートが出来るなら、最後に気持ちだけでも伝えよう、って思った。

伝えるだけ、だったんだけど…」


そう言うと、蒼大さんは抱きしめたまま、右手で私の頬を撫でる。


「この前、抱きしめてしまった時もそうだけど、手を繋いでも嫌がらない繭花ちゃんを見て……、欲が出た」