葉月は、お弁当を食べながら黙って私の話を聞いてくれる。


「ねぇ、繭花……。それってどう考えても蒼大さんの事好きなんじゃないの?っていうか、繭花さぁ……。初めて本当に好きだと思える人が出来たんじゃない?」


“本当に好きだと思える人”?


私は充や今まで付き合った人だって好きだと思っていた。


だけど、それは違ったって事?


「繭花は今まで、“好き”だと思い込んでいたんじゃない?」

「どういう意味?」

「今までの彼氏に対してさ、“好き”っていうより、本当は“いいな”ってくらいだったんじゃないかな?って思ったの。だって、繭花、今までドキドキした事なかったんでしょ?」

「うん」

「でも、蒼大さんにはドキドキする」


葉月は真剣な目をして私を見る。