「あぁ……」


そう言って蒼大さんは少し考えて


「繭花ちゃんってやっぱり彼氏いたんだなぁ、ってね」


笑って言う。


だけど、その笑顔はなんか悲しそうっていうか……


作った笑顔に見えた。


「えっ……、なんで?」


別に充の存在を隠す必要はない。


だって蒼大さんは、お兄ちゃんのお友達なんだから。


だけど、私は彼氏がいる事を蒼大さんに知られたくなかった。


私が動揺していると


「俺が来た時、繭花ちゃんと玄関の所にいる彼氏らしき人を見たから……」


蒼大さんは私から目をそらし、言いにくそうに言う。