病室には、酸素マスクが付けられた奏斗がいた



もう、最期だと言うように院長さんと看護婦さんが立っていた


「声をかけてあげてください」


ああ、やっぱり。やだよ、奏斗置いていかないで




私は、そっと奏斗に近寄った
そして、声をかけた



「ねぇ、奏斗。置いていかないでよ」


そう言った

奏斗はゆっくりと喋った



「かれん……ご、めんな、おれ、生き、れない、だから、俺の分まで生、きろよ
おれ、ら別れ、てるけど俺は、彼、女って思っ、てる」


「おいていかないでよ、ねぇ。私も、大好きだよだから、置いていかないで」

涙でぐちゃぐちゃだった私

少し笑った君

目を閉じる少し前、言った言葉