───ガラリ。
勢いよく開けすぎたのか、思ったよりも響いた扉の音に皆の視線が一瞬だけ私に集まったけれど
「ほれ、席に着け〜」
遅れて聞こえてきたのんびりとした声に、それは後ろの篠原先生へと移っていく。
「もう、予鈴はとっくに鳴ってるんだぞ~」
先生の声を合図に慌しく自分の席に戻って行く生徒に紛れて、私も足早に席へと向かう。
途中、笑顔で手を振っている綾ちゃんに気づいて、手を振り返しながら椅子に座った。
その後は、普段通りのHRと授業が始まって。
時折、暁さんの視線を感じることもあったけれど、休み時間はずっと綾ちゃんと一緒にいたからか、暁さんが話し掛けてくることもなく……
冬休み明けの今日は、午前授業で。
気がつけば、あっという間に帰りの時間になっていた。