「周りの視線?」


マリアちゃんを見てきょとんとしているアル君は、意味が分からないのか首を傾げていて。

その横にいたマークさんは、周囲を見回すと


「殺気や怪しい気配は感じなかったが……」


なんだか物騒なことを言い出した。


「え? 俺達って、誰かに狙われてたの!?」


その言葉に慌てて周囲を見回してみたけど、特に怪しい人物は見当たらない。


「……違います。やっぱり、誰も気にしてない……」


俺達の反応を見たマリアちゃんは、項垂れると小さい声で呟いた。


確かに、さっきからこの中で浮いている俺達。

興味津々に向けられていた視線には気づいていたけど、それはいつものことで。


「そんなに周囲の視線が気になるの?」


少なからずマリアちゃんだって、慣れているはず。