もしかして、マリアちゃんに気がついて話をしていたのかも……
一瞬そう思ったけど。
あの超地味な変装をしている普段のマリアちゃんと、傍から見れば外人にしか見えない今のマリアちゃんが同一人物だと気づく人が果たしているだろうか……?
「……………………」
多分、いない。
じゃあ、偶然?
あまりにも良過ぎるタイミングで出てきた彼女が気になったけど、階段を下りて戻って来た二人に意識が引き戻された。
「───遅かったね。何かあったんじゃないかって心配していたんだよ?」
心配していたアル君が開口一番、優しく声を掛ければ
「あ……ごめんなさい」
申し訳なさそうに謝るマリアちゃん。
「Rest roomでなにかあった?」
「ううん、なにもないよ。ただ……」
アル君の質問に首を横に振ったマリアちゃんだったけど
「周りの視線に耐えられなくなって、お手洗いに逃げ込んでました」
Rest roomからなかなか出てこなかったその意外な理由に、心配していた皆の目が点になった。


