「総長……この女、日本語分からないんじゃ?」
そんな私の態度を見て、美代さんが口を挟んできたけれど……
「だから、総長って呼ぶなって言ってんだろ!」
「あ、すみません」
「ふん。心配しなくても、この女は日本語話せるから」
「え? そうなんですか!?」
「あぁ。母親は日本人だし、ずっと日本に住んでいたんだから……ねぇ、マリアサン?」
「……っ……!?」
彼女の意見を否定して、私が日本語が話せると断言した暁さん。
お母さんが日本人であることや、日本に住んでいたことまで知っているなんて……
───この人は、私のことを一体どこまで知っているのだろうか?
知られている情報が名前だけではないことに、言い知れぬ恐怖が襲ってくる。


