「……ったく。親父にバレたら、後が面倒くせぇんだから気をつけろよ」
「すみません」
私の独り言を自分のせいにされたのに、反論する事無く総長さんに謝る女の子。
「私の独り言だったんです。ごめんなさい!」って誤解を解いた方がいいかな? なんてことを考えている間にも
「もう、準備はできているんだろうね?」
「もちろんです。下の駐車場に車を待機させてあるんで、いつでも出れます」
「なら、親父が上から降りてくる前に出るよ。クロとの約束の時間に間に合わなくなる」
「はい」
どんどん進んで行く二人の会話を聞いていた私は、この場から立ち去るタイミングをすっかり失っていた。


