「取り敢えず、テーブルに戻って食事をしよう。早く食べないと休憩の時間が終わってしまうよ」
そんな私を助けてくれたのは、やっぱりお父様で。
「何言ってるの、お父さん。今日は、もうやる事ないって言ってたじゃない」
「そうだったか?」
「そうよ。もう仕事終わりでしょ!」
愛ちゃんの突っ込みに、とぼけて答えると
「まぁ、そうとも言うかなぁ」
はぐらかしながら、私に抱きついていたお母様と愛ちゃんをやんわりと引き剥がしてテーブルの方へと誘導する。
二人の拘束から解放されて、ほっと肩の力を抜いたところで
「ほらほら、マリアちゃんも行こう。ご飯冷めちゃうよ!」
「あ、はい」
慧さんに声を掛けられて、私の足も動き出す。
「魁も。マリアちゃんからの熱烈な告白に固まるのもわかるけど、一緒に食べるだろ?」
後ろの方で、何やら声を掛けられた魁が気になって振り返れば
「……あぁ」
ハッとして視線を彷徨わせた後、煌さんと共にこちらに向かってくる。
その顔は、未だに耳まで真っ赤だ。
改めて席に着いて、皆んなで美味しいご飯を堪能して。
これから週2で通う事になるお母様のお料理教室の詳細を聞きながら、楽しい時間は過ぎていった。
因みに。
顔の状態がものすごく気になっていた私は、あれから直ぐにお手洗いに駆け込んで鏡を凝視したのだけれど……
「何で!?」
あれだけ乱暴に拭かれたのに、メイクは全く崩れていなかった。
ランスロットさんのメイク技術恐るべし。


