……そんなわけで。
とうとうその状況に耐えられなくなった私は、立ち上がったと同時に向けられた魁さん達からの視線を苦笑いで受け流し、そそくさとお手洗いへと逃げ込んだのだった。
「───はぁ……」
で、現在に至るのだけど……。
繰り返し口から漏れる溜め息は、何度もこの場に響いては消えていく。
心なしか鏡に映る自分がやつれ気味に見えるのは、目の錯覚だと思いたい。
「うーん、どうしよう……」
そんな私の口から出てくるのは、答えの見えない自問ばかり。
逃げてきたのはいいけれど。
ラウンジに戻れば、再び晒されるであろう好奇な視線。
兄さんや魁さん達はそんな視線に慣れているのか、気にすることなく談笑していて。
ただ一人慣れていない私は、あれを一斉に向けられると肩に妙な力が入ってしまって、何処を見ていいのか分からなくなってしまう。


