Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】



私を心配そうに見つめてくるお母様。

魁でいいのか、なんて

そんなの


「私は、魁がいいです」


答えは一つだけだ。


「本当に?」


「魁は私のヒーローなんです」


「魁が、ヒーロー……?」


「はい」


キョトンとするお母様を視界の端に映しながら、私の顎を固定していた魁の手にそっと触れる。

そう。

辛くて辛くて。
自分では立ち上がることさえ出来ない暗闇の底にいた私を、いつも光のある世界に引き上げてくれる魁。

彼は間違いなく、私のたった1人のヒーローで


「私が、魁じゃないと駄目なんです」


他の誰かじゃ駄目なのだ。

全てのものから守るように包み込んでくれるこの手を、私はきっと二度と手放すことができない。

それは、マーク兄さんやアル兄さんに反対されたとしても。

伝わるかな? 私の気持ち。

どうか伝わって…と想いを込めて触れていた魁の手を、きゅっと握って見上げれば……


「……っ」


耳まで真っ赤になった魁が固まっていた。