私を心配そうに見つめてくるお母様。
魁でいいのか、なんて
そんなの
「私は、魁がいいです」
答えは一つだけだ。
「本当に?」
「魁は私のヒーローなんです」
「魁が、ヒーロー……?」
「はい」
キョトンとするお母様を視界の端に映しながら、私の顎を固定していた魁の手にそっと触れる。
そう。
辛くて辛くて。
自分では立ち上がることさえ出来ない暗闇の底にいた私を、いつも光のある世界に引き上げてくれる魁。
彼は間違いなく、私のたった1人のヒーローで
「私が、魁じゃないと駄目なんです」
他の誰かじゃ駄目なのだ。
全てのものから守るように包み込んでくれるこの手を、私はきっと二度と手放すことができない。
それは、マーク兄さんやアル兄さんに反対されたとしても。
伝わるかな? 私の気持ち。
どうか伝わって…と想いを込めて触れていた魁の手を、きゅっと握って見上げれば……
「……っ」
耳まで真っ赤になった魁が固まっていた。


