いやいや。
ちっとも笑えませんて、お父様!
マーク兄さん、どんだけ送りつけてるの。
ってか、今でも資料に埋もれてるの!?
「あの量は嫌がらせだと慧は騒いでいたが、マークなりの優しさだと思うよ」
「優しさ、ですか?」
「だって、大事な妹を嫁がせる約束をしてしまったんだよ? 結婚したら絶対に幸せになってほしいじゃないか。だったら生半可な男に任せるわけにはいかないから、誰にも文句を言わせないくらいに育てたかったんだよ。実際、魁はマークの予想以上に成長したみたいだし」
予想以上? それって……
あのマーク兄さんが認めるくらいなんだから、絶対無理難題を押し付けていたよね!?
「マリアちゃんが日本に来ているって分かった時も…」
「あの時は大変だったわねぇ」
その後も、皆んなで教えてくれるから。
「マリア、ちゃん……? どうしたの!?」
気がつけば再び視界が滲み、膝の上で握りしめていた手の甲が濡れていて。
ゆう君の言葉を信じて日々を過ごしていただけの私に対して、魁がどれだけ努力して今の婚約者としての立ち位置を築いてくれたのか。
その想いの強さを知ってしまえば、涙が溢れて止まらなくなっていた。


