「だって何を聞いても反応薄いし、会話は弾まないどころか、こちらから話しかけてやっと一言返事が返ってくるくらい無口なんだもの」
あれじゃあ、コミュニケーションも取れなくてつまらないでしょう?
そう言って、心配そうに見つめてくる。
「……………………」
まぁ確かに、再会したばかりの頃は何を話していいのかわからなくてあまり会話は弾まなかったけれど。
それでも言われている内容が事実と異なる事に首を傾げれば
「え? 違うの?」
その反応にきょとんとしているお母様。
だから。
「魁は……」
口数は少ないかもしれないけど、普通に会話もするし毎回返事もしてくれる。
いつも私を気にかけてくれて、彼の隣はとても安心する。
傍にいられる今が一番幸せなのだと、自分の気持ちを伝えたら
「…………あの子が?」
目を見開いて動きを止める。
「はい。一緒にいてとても楽しいです!」
「そう……」
私の表情を窺っていたお母様は、はぁーっと大きく息を吐き出して
「良かった……コミュニケーションもまともに取れないようじゃ、結婚する前にいつかマリアさんに愛想を尽かされてしまうと思って気が気じゃなかったのよ」
ホッとしたように肩の力を抜いた。
「愛想を尽かすだなんて、死んでもないです! 愛想を尽かされるとしたら、私の方ですから絶対!」
そう力説したら「それこそ、天地がひっくり返ってもないわ」と、口元を綻ばせる。


