「え? もちろん結婚するよ」




即答すれば




「それは知ってるけど、マリアは進学しないの?」




「進学?」




「だって、結城は間違いなく進学するじゃない」




確信を持った答えが返ってきて。




「そうなの、かな……?」




「あんたねぇ……自分たちの将来の事なんだから、ちゃんと話し合いなさいよ。まぁ、あの男が進学するにしても就職するにしても、専業主婦になるなら昼間はマリア一人になっちゃうんだから、進学しなくても料理教室くらいは通ったら?」




あんた、家庭科全般壊滅的なんだから。



そう言われて、返す言葉もない。




「……壊滅的」




そうでした。



どんなに頑張っても、家庭科全般(特に料理)が苦手な私。



最初の調理実習では塩と砂糖を間違えて入れてしまい、しょっぱい肉じゃがが出来上がり……次の調理実習で作ったカレーは何故か甘かった。



甘くなる調味料なんて入れてないのに!



同じ班の人たちを悶絶させてしまうという失態を二度も犯してしまった私は、味付けの係から外され食材を切る担当になったのだけど。



ここでも包丁を持った事がなかった私は皮と一緒にごっそりと身も削ってしまい、ほぼ芯しか残らないリンゴが出来上がり……



あまりの手際の悪さに呆れられ、最後は野菜しか洗わせてもらえなかった。