「それで、お兄さんに丸投げしたわけね。まぁ、マリアが答えるよりはいいんじゃない? あんた、絶対ボロがでそうだし」
「私も、そう思う」
綾ちゃんの意見に激しく同意する。
あのまま先生達に追及されたら、間違いなくバレていたと思うから。
マーク兄さん達に丸投げしたのは正解だった。
先生達も、マーク兄さんと修さんの名前を出したら納得してくれたし。
咄嗟の事だったけれど、いい仕事をしたな私。
うんうんと頷いて、デザートのプリンをスプーンで掬う。
今日のデザートは、シェフ特製の生クリームがたっぷりと乗った濃厚プリン。
個数限定のそれは、デザート大好きな女子生徒の間では争奪戦になる代物で。
毎回あと一歩のところで負け続けていた私が、初めて勝ち取った最後の一個。
それを落とさないように、慎重に口に運ぶ。
「…………………」
「マリア?」
「お……」
「お?」
「美味しいっ!!」
なにこれ!?
めちゃくちゃ美味しいっ!
口内に広がる、ほろ苦いカラメルは大人な味で。
甘さ控えめな生クリームが絶妙なハーモニーだ。
あまりの美味しさに身悶えていると
「マリア、うるさい」
目の前の綾ちゃんが、顔を顰める。
うるさくしてごめんなさい。
だって。
「だってこれ、すごく美味しいんだもん」
綾ちゃんも食べてみて!
そう言って、お皿を差し出せば
「はいはい。あら、ほんとに美味しい」
「でしょ?」
「そうね、次は私も頼んでみようかしら……じゃなくて! プリンが美味しいのはわかったけど、それで結局進路はどうするのよ?」
プリンを食べて口元を綻ばせた綾ちゃんが、なぜかまた進路の話を聞いてくる。


