Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】



「それで、お兄さんに丸投げしたわけね。まぁ、マリアが答えるよりはいいんじゃない? あんた、絶対ボロがでそうだし」


「私も、そう思う」


綾ちゃんの意見に激しく同意する。

あのまま先生達に追及されたら、間違いなくバレていたと思うから。

マーク兄さん達に丸投げしたのは正解だった。

先生達も、マーク兄さんと修さんの名前を出したら納得してくれたし。

咄嗟の事だったけれど、いい仕事をしたな私。

うんうんと頷いて、デザートのプリンをスプーンで掬う。

今日のデザートは、シェフ特製の生クリームがたっぷりと乗った濃厚プリン。

個数限定のそれは、デザート大好きな女子生徒の間では争奪戦になる代物で。

毎回あと一歩のところで負け続けていた私が、初めて勝ち取った最後の一個。

それを落とさないように、慎重に口に運ぶ。


「…………………」


「マリア?」


「お……」


「お?」


「美味しいっ!!」


なにこれ!?

めちゃくちゃ美味しいっ!

口内に広がる、ほろ苦いカラメルは大人な味で。

甘さ控えめな生クリームが絶妙なハーモニーだ。

あまりの美味しさに身悶えていると


「マリア、うるさい」


目の前の綾ちゃんが、顔を顰める。

うるさくしてごめんなさい。

だって。


「だってこれ、すごく美味しいんだもん」


綾ちゃんも食べてみて!

そう言って、お皿を差し出せば


「はいはい。あら、ほんとに美味しい」


「でしょ?」


「そうね、次は私も頼んでみようかしら……じゃなくて! プリンが美味しいのはわかったけど、それで結局進路はどうするのよ?」


プリンを食べて口元を綻ばせた綾ちゃんが、なぜかまた進路の話を聞いてくる。