『私と結婚する人は、世界でも屈指の大企業の御曹司です。それも、とびきりかっこよくて強くて優しいんです!!』
そう声を大にして叫びたいけれど。
そんなこと言えるわけがない。
今の私は、ごく普通の女子高生。
そもそも。
何処にも公表していない結城財閥の御曹司の婚約話を、今ここでしていいのか。
「……………………」
どう考えてもいいわけがない。
なんて答えていいのかわからなくて口籠る私に
「先生たちには言えないような相手なの?」
平川先生が訝しむような視線を向けてくる。
はい、正解です!
ここで先生達に魁のことを言ってしまったら、他の先生にも話してしまうかもしれない。
そこから生徒の耳の入れば、噂が広がるのは時間の問題で。
そんなことになれば、魁だけじゃなく結城家の人たちにまで迷惑を掛けてしまうことになるから。
「いえ、ごく普通の高校生なのでなんて答えていいのか……」
「「「………………普通?」」」
「詳しいことは兄と叔父が知っていますので、二人に聞いて下さい!!」
私の頭でいくら考えても出てこない答えを、全てマーク兄さんと修さんに丸投げした。
だって、回避できる方法がこれしか思いつかなかったんだもん!!


