Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】



「私、明日から無事教室に辿り着けるのかな……」




長瀬さんの言葉で不安になってしまったけれど。




「明日から、これを持っていきなさい」




そう言って渡されたのは、一枚の紙。




「これは?」




「昇降口から、あんたの教室までの地図よ」




「……地図?」




その紙を受け取って広げてみれば




「これがあれば、間違いなく教室に辿り着けるから」




昇降口から教室までを赤い線で引いてある、もの凄く細かく描かれた地図だった。




「ありがとう、綾ちゃん」




綾ちゃん、貴方は私の女神様です!




「いい? これは教室までの地図だから、移動教室の時はボーっとしてないで、ちゃんと皆んなについて行くのよ」




「はいっ!」




綾ちゃんの言葉にコクコクと頷いで、もらった地図を大切に鞄の中に入れる。



知らない人が聞いたら、まるで幼稚園児に言い聞かせているような内容だけど。



私も綾ちゃんも決してふざけているわけではない。



全ては、私の酷すぎる方向音痴がいけないのだ。




「取り敢えずは、慣れるまで少し早めに家を出なさいよ」




「うん。そうする」




また学院内で迷子になったら笑いものになってしまう。



それだけは避けたい。




「じゃあ、また明日ね」




「うん、また明日!」




家の近くの交差点で手を振って笑顔で別れる。



これで教室には迷わずに行かれると安心していたけれど、この時もう一つ大切なことを私は忘れていたのだった。