「私が知ってるあの男は、初めて会った時から不愛想だし女嫌いで有名だったの」
「女嫌い?」
魁が?
確かに近付き難い雰囲気はあったけど。
「あの見た目でしょ? お近づきになりたい女はわんさかいたけど、いつもあの凍てつくような睨みで一蹴してたわ。だから今じゃ、一部の空気読めない女を除いて誰も近づかないの」
「……そうなんだ」
「だから婚約者がいるって聞いた時も驚いたけど、その男が見た事もない笑顔であんたと喋ってバイクに乗せてるし。ほんとにびっくりしたわよ」
綾ちゃんの話を聞いて、改めて女の人との接点がなかったことを知る。
「まぁ、族のチーム二つ潰しちゃうくらいマリアの事を大事にしてくれているみたいだし、あんたが幸せならそれでいいんだけどさ」
そう。
綾ちゃん曰く、女嫌いで有名な魁がその女の為に『BLACK SNAKE』と『胡蝶』を潰したという噂は瞬く間に広がって。
今日は、朝から学校中がその話でもちきりだったのだ。
でも。
「何であんなに尾鰭がついて噂が広まってるんだろ……」


