「ただ、腹の虫がすげぇ勢いで鳴ってたから、そろそろ起こすつもりだった」
「……え」
腹の、虫……?
嘘でしょ!?
全然起きない上に、お腹の(しかも凄い勢いで鳴ってる)音を好きな人に聞かれてたなんて。
いゃあぁぁぁぁぁぁー!!
「もう、お嫁に行けない……」
どれだけ醜態晒してるのよ、私。
穴があったら入りたいくらい恥ずかしくて再び突っ伏せば
「あ? お前は俺のところに嫁に来るんだから問題ないだろ」
間髪入れずに低音が響いてくる。
「……………………」
確かに、そうなんですけどね?
「寝起きが悪いのはとっくに知っているし、腹が減れば誰だって腹の音鳴るだろ」
フォローしてくれているのだろうけれど、今の私には全然救いになっていない。
女の子なら誰だって、好きな人には出来るだけ可愛いと思われたいんです!
それなのに私ときたら……可愛いどころか、恥ずかしい所ばかり見せている気がする。
「最初から分かっていて結婚するんだから、全く問題ない」
「……ソウデスネ」
そんな私の心情を知る由もない魁さんは、全然気にしていないようで。
本当にこんな私でいいのだろうかと、今更ながら不安になってしまう。
「この先嫌になっても、返品できませんからね?」
もう一度、念を押すように尋ねれば
「誰が返品なんかするか。お前こそ、俺から逃げられると思うなよ」
揺るぎない言葉が返って来たから。
「逃げませんよ」
「……だったらいい」
魁さんがこんな私でもいいって言ってくれているんだから、もういいや。


