Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】




ここまで来て止めるなんて有り得ない。

今やめても、いつかまた同じ痛みを経験しなければならないのなら一緒だもの。

そうでしょう?と告げれば


「マリア」


鼓膜を震わすように私の名前を囁きながら、逞しい身体を寄せてくる魁さんは


「痛かったら、爪を立ててもいいから」


絡めていた手を解いて、私の手を自分の身体に誘導する。

それに甘えるように広い背中へと腕を伸ばせば。

次の瞬間、身体を貫く一際強い痛みに一瞬目の前で火花が散った気がした。


「い……っ!!」


痛くて。苦しくて。熱い。

あまりの衝撃に、溜まっていた涙がぽろりと零れる。

まるで下腹部の中心に心臓が移動したかのように、ズクリと鈍く響く痛み。

反射的に爪を立ててしまったけれど、今の私にできることといったら。

只々、身体を硬直させて痛みを我慢することしかできなかった。