パブリックスクールでも、日本人学校でも。
イギリス人でも日本人でもない私は、いつも一人だった。
あの兄さん達でさえ、傷ついた私をどう扱っていいのかわからず少し距離を取っていたのに。
出会った頃から今も、私の心を掬い上げてくれる魁さんは何よりも誰よりも大切な人。
溢れ出すこの気持ちを、どうすればちゃんと伝えられるのだろう。
「魁さん」
滲む視界の中、目の前にある端正な顔に両手でそっと触れる。
「大好き」
顔を近づけて唇を寄せたら
「……っ!」
目を見開いて固まってしまった魁さん。
この時の魁さんの顔は、当分忘れられないと思う。
ぼんやりと薄暗い室内でも、はっきりとわかるくらい耳まで真っ赤になっていて。
普段は見ることのない表情を私がさせているのだと思えば、嬉しさが込み上げてくる。
そう思っていた、次の瞬間。
「マリア、愛してる」
蕩けるような甘い笑顔で愛を囁いた。
その笑顔と愛の言葉に、知らず強張っていた体の力が抜けていく。


