「え、何でって……」
「俺、別に子供いなくてもいいんだけど」
まさかの返事に頭が混乱する。
「……え?」
いなくてもいいって……
「俺が欲しいのはお前であって、子供が欲しくて結婚するわけじゃねぇから」
「でもっ、魁さんのご両親だって……」
結婚すれば、もちろん孫の顔だって見たいはず。
「子供が出来ないかもしれないってことはとっくに伝えてあるし、それも了承済みだ」
「え……?」
了承済み?
本当に、ご両親も納得しているの?
「さっきから聞いていれば、お前は子供が出来ないことを前提に話をしているが……」
そう言って、私の顔を固定する魁さんは
「何で、産めるかもしれないって思わないんだ?」
刺すような視線を向けてくる。
「あ……」
だって、それは。
専門家のお医者様に、妊娠する確率はかなり低いって言われたら。
子供が産めないことを前提に話を進めなきゃいけないんじゃ……
どう魁さんに伝えたらいいのか、頭の中でグルグルと考えていれば
「───なら、試してみるか?」
目の前のダークブラウンが鋭さを増した。


