それはそれで、変な感じなんだけど……。
刺々しさのなくなったランスロットさんとの会話は、相変わらず緊張するけれど、少しだけ話しやすくなった……ような気がする。
「では、御支度の方が整いましたので、応接室に戻ってお茶をお入れ致しましょう」
「ありがとうございます。でも、時間は……」
「お茶を飲むくらいのお時間ならば、まだたっぷりと御座いますよ。マリア様のメイクに、何時間も掛かりませんからね」
「そ、そうですか」
相変わらず、ランスロットさん主導で会話が進んでいくけれど。
「それと、一応こちらをお持ちください」
「え? これって……」
椅子から立ち上がった私に差し出された物を見て、思わず聞き返してしまう。
……今日、これは必要ないんじゃ?
首を傾げて、長身のランスロットさんを見上げてみるけれど
「念のためです」
そう言いながら、にこりと笑顔を見せる有能な執事様。
「そうですか……。ありがとうございます」
念のためと言われたら、受け取らないわけにはいかなくて。
「では、参りましょう」
差し出されたそれを受け取って、開けてくれた扉を潜った。


