───なんでっ!?

まだ下着はつけているけれど、薄暗い部屋でもはっきりと見えるであろう体に刻まれた無数の痣と大きな傷。

こんな身体、見せたくなかったのに。

そんな私を気にすることなく上からゆっくりと視線を落としていく魁さんの瞳が、ある一点を見つけてぴたりと止まった。

その視線の先は、きっとあの醜い傷。

魁さんが、あの傷を見てどんな表情をするのか。

見ている勇気がなくて、ぎゅっと目を瞑った。


……もし、兄さん達のように痛々しいものを見るような目で見られたら?


私だって、自分の身体を鏡で見る度に気持ち悪いと思ってしまうのだから。

もしかしたら、この身体に触れる気なんて失せてしまうかもしれない。

魁さんに嫌われたら、どうしよう……

頭の中でグルグルと、そんなことばかり考えてしまう。

傷を見た魁さんに何を言われるのかと、ずっと言葉を待っていたのだけれど。

いつまで経っても、無言のままで。


「……………………」


……あれ?

何で、反応がないの?

恐る恐る目を開けてみれば、未だ微動だにせず傷痕を見ていた魁さんは


「あの……、魁、さん……?」


私の呼びかけにハッとして、その場所を凝視したまま手を伸ばしてくる。