熱を帯びた唇は、首筋を滑り柔らかく吸い付いて。


「……っ」


時々チクリと鈍い痛みを感じて肩をすくめると、さらりと触れる黒髪がくすぐったい。

そんな刺激に気を取られていれば、いつの間にか浴衣の紐は解かれ。

するりと潜り込んできた大きな手に、直接素肌を撫で上げられた。


「ひゃっ」


看病などで看護師さんたちが触れてくるのとは全く違う、身体中の全神経を目覚めさせるようなそれにびくりと身体が揺れて。

更に刺激を与えてくる唇と指先に、抑えられなかった変な声が漏れてしまう。


「ふ、ぅ……」


……死ぬほど恥ずかしい。

寝室は暗いとはいえ、ベッド脇の間接照明が燈っていて。

既に肩にかかっているだけの浴衣は、前が全開になっていた。

恥ずかしくて、思わず浴衣を脱がせようとしていた魁さんの手を掴んでしまう。


「……どうした」