もし、彼が探してくれていなかったら……
きっと、あの時に私の心は壊れていた。
『マリアが、卒業した日に迎えに行く』
再会した、あの日。
そう約束してくれた、ゆう君。
でも、目を覚ました時には姿が消えていて。
一瞬、自分に都合のいい夢を見ていたんじゃないかと落胆したのだけれど。
ふと、右手に違和感を感じて確かめてみると、メモ用紙のようなものを握り締めていた。
「…………………」
眠る前に、紙に触った覚えはないと思う。
だとしたら、この紙は……?
震える指で、恐る恐る開いた紙に書かれていた文字をゆっくりと目で追っていけば
「……っ、ぅ……」
読み終える前にぼやけて目の前が見えなくなった。
ぽたりと、紙に水が弾けて。
歪む視界の中で、何度も何度も読み返す。
胸の前で両手に包み込んで、その存在を確かめるように親指で触れる。
“ 必ず迎えに行くから、待っていろ。 ”
……夢じゃなかった。
ゆう君は、昨日本当にここにいたんだ。
そう思ったら溢れる涙は止まらずに、ぽたぽたとベッドのシーツを濡らしていく。


