まだ、魁さんと一緒にいられるなんて……
───う、嬉しすぎるっ!!
マフィンを口に頬張っていなかったら、叫んでいたかもしれないくらい嬉しい事実に、顔が緩みっぱなしの私だったけど……
それをぶち壊してくれたのは、やっぱりアル兄さんで。
電話を終えて、応接室に戻ってくるなり
「取り敢えず、二時間後に横浜そごうね」
開口一番、にこにこ顔でそう言った。
……え? 二時間後?
「二時間後か……。まぁ、マリアの支度をして向かうには丁度いいくらいの時間か」
「でしょ? 向こうの準備も色々とあるみたいだから、ついでに他の所にも連絡しておいたよ」
「そうか」
またしても、私を置き去りに進んでいく兄二人の会話。
てっきり後日だと思っていた私の買い物は、今から二時間後に決まったらしい。
アル兄さんの「他の所」っていう言葉が、妙に引っ掛かったけど……
「ランスロット。マリアの支度を」
「畏まりました。では、マリア様。先ほどのお部屋にお戻りください」
「え? でも……」
「お時間が御座いませんので」
「あ、はい」
その意味を聞こうとする前に、ランスロットさんに急かされて部屋を後にしたのだった。


