視界を遮る物に手を伸ばして確かめると、それは厚手のポンチョで。
次の瞬間、遮る物がなくなった顔に一気に吹き込んできた冷たい風に思わず身体が竦む。
寒っ!!
……え? なんで外!?
部屋に行くんじゃなかったの?
「か、魁さ……」
何処へ行こうとしているのかと尋ねようとすれば
「この向こう側に部屋がある」
「……へ? 外に部屋があるんですか!?」
「寒いから、それ着ておけよ」
困惑した表情の私を見下ろした魁さんは、質問には答えず再び私の頭からポンチョを被せると、ゆっくりと白銀の世界へと足を踏み入れた。
手を繋いでいた私の足も、つられて前へと進んで行く。
雪が降り積もっていなければ、きっと立派な日本庭園なんだろうなぁ……なんて、視界の端に映った景色を想像しながら石畳の上を歩いて行くと。
「わぁ……」
そこには、ぽつりと佇む日本家屋があって。
「ここですか……?」
「あぁ、この部屋しか空いてなかった」
そう言って、建物には似つかわしくない最新のカードキーを差し込んで扉を開けた魁さん。
私たちが今日泊まるのは、部屋と呼ぶには立派過ぎる離れの部屋だった。


