Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】




それも、真冬並みに吹雪いているんですけど。

私たちが楽しくお茶をしていた二時間の間に、なぜこんなことになっているのか。

雪は降り積もり、当然のことながらノーマルタイヤで来ていたであろう車は、あちこちで立ち往生して道路に止まっていた。

車でダメなら、バイクで来た私たちって……


「今日中に帰れますかね?」


「無理だな」


私の質問に間髪入れずに答えた魁さん。


「……………………」


帰れない……

そうだよね。

これだけ吹雪いていたら、普通の道路ですら走ることなんてできないのに、山道なんて到底無理に決まっている。

帰れないって、どうするの!?

脳裏に浮かんだのは、般若のような形相で家で待ち構えているランスロットさん。

……こ、怖すぎる!!

思わず肩が震えたことに気づいた魁さんは、寒いと勘違いしたのか


「取り敢えず、寒いからホテルに戻るぞ」


「はい」


一つ溜め息を吐くと、私の手を引いてまた来た道を戻り始める。

私はといえば……

家に帰れないという事実に、その背中をただ呆然と眺めながら歩くことしかできなかった。