それも、真冬並みに吹雪いているんですけど。
私たちが楽しくお茶をしていた二時間の間に、なぜこんなことになっているのか。
雪は降り積もり、当然のことながらノーマルタイヤで来ていたであろう車は、あちこちで立ち往生して道路に止まっていた。
車でダメなら、バイクで来た私たちって……
「今日中に帰れますかね?」
「無理だな」
私の質問に間髪入れずに答えた魁さん。
「……………………」
帰れない……
そうだよね。
これだけ吹雪いていたら、普通の道路ですら走ることなんてできないのに、山道なんて到底無理に決まっている。
帰れないって、どうするの!?
脳裏に浮かんだのは、般若のような形相で家で待ち構えているランスロットさん。
……こ、怖すぎる!!
思わず肩が震えたことに気づいた魁さんは、寒いと勘違いしたのか
「取り敢えず、寒いからホテルに戻るぞ」
「はい」
一つ溜め息を吐くと、私の手を引いてまた来た道を戻り始める。
私はといえば……
家に帰れないという事実に、その背中をただ呆然と眺めながら歩くことしかできなかった。


