Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】





結局、お願い事は二つしかできなかったうえに、魁さんには聞かれてしまう始末。

パワースポットだと言われているこの神社で、お願いしたい事はもう一つあったのに!

既に小さくなり始めている神社を振り返りながら、未練がましく歩いていれば


「後ろばかり見てると、またコケるぞ」


斜め前から声がかかる。


「……………………」


わかってます。

わかってるんですけどね?

もう一つ、お願いしたいことがあったんです!

そう言おうと、口を開きかけたのだけれど。

後方を見てみると、駒ケ岳山頂の景色を楽しんでいた人達も続々と神社に向かって歩いて来ていて。

さっきまで私達がいた所には、長い列ができていた。

これからまたあの列の最後尾に並んだら、相当時間が掛かることが予想出来て口を噤む。

うぅ、仕方ないか……

今回は、諦めるしかない。


「どうした?」


がっくりと肩を落として前を向いた私の顔を、心配そうに覗き込んできた魁さんに


「また今度、ここに連れて来てくれますか?」


真っ直ぐに見上げて懇願すれば


「あぁ」


そんなことか、とホッとしたように頷いてくれた。