その顔に見惚れていた私は
「あ、いえ……(魁さんの顔が)綺麗だなぁと……」
不意に聞かれた言葉に、思っていたことをそのまま口にすれば
「あぁ、そうだな」
一瞬きょとんとした後、反対側にある富士山へと視線を向ける。
「……………………」
うーん。
富士山が綺麗と言ったのではないのだけれど。
「じゃあ、何が綺麗なんだ?」と聞かれても、返答に困ってしまうから。
訂正せずに、私も富士山を眺めながらゆっくりと歩いた。
寒さに震えながらも回っていると、見えてきたのは山頂に佇む真っ赤な鳥居。
「魁さん、あれは何ですか?」
不思議に思いながら尋ねてみれば
「神社」
短い返事が返ってくる。
鳥居があったから、そうなのかな?とは思っていたけれど。
やっぱり神社なんだ……
「こんな山の天辺に神社なんてあるんですね」
「あぁ。この神社は、心願成就や恋愛成就のご利益があるパワースポットらしいぞ」
「恋愛成就……」
それは、是非とも参拝したい!!
恋愛成就と聞いて、私の目の色が変わったのに気付いたのか
「せっかくだから、参拝して行くか?」
「絶対、行きます!!」
面白そうに聞いてくる魁さんに即答すれば、手を引いて長い階段に向かって歩き始めた。


