Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】





魁さんが歩き出せば、手を繋がれている私の足もつられて動き出す。


今も油断していると、吹き飛ばされそうな強い風が吹きつけてくるけれど。

しっかりと絡めとっている大きな手が、それを阻止してくれていた。


それにしても。

山頂が、こんなに寒いとは思わなかった。

地上では日も差して、柔らかな陽気に包まれていたというのに。

此処は、冬の嵐のように寒い。

出がけに魁さんが、「厚手の上着を持って行け」と言った意味が今わかった気がする。


玄関を出た時。

少し暑いなぁ…と感じるくらいの気候だったから、何でだろう?と思っていたけれど。

あれは、バイクに乗っている時に寒いからというよりも、この山頂が寒すぎるからだと。


私の歩調に合わせて隣を歩いてくれている魁さんを、ちらりと見上げれば……

そこには、いつもと変りなく完璧に整った綺麗な横顔があって。

一見、冷たそうに見えるその容貌は


「どうした?」


私を視界に捉えると、柔らかく表情を緩める。