Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】






ド派手にコケる姿を想像しながら、ぎゅっと目を瞑ったのだけれど。

それとほぼ同時に、腰に回された力強い腕に引き寄せられる。

後頭部が、ぽすんと何かにぶつかって。

そっと目を開けて見上げてみれば


「山頂は風が強いから、油断してると転ぶぞ」


傾いた体を優しく支えてくれていたのは、やっぱり魁さんで。


「すみません……」


毎度のことながら、本当に申し訳ございません。

一緒に出掛ける度に転びそうになる私に、さぞ呆れ返っているだろうと思っていれば


「やっと治ったのにまた怪我なんてしたら、イギリスから血相変えたマークさんがすっ飛んでくるぞ」


苦笑いで恐ろしいことを言い出す魁さん。

私がまた怪我をしたら、マーク兄さんが……?


「……………………」


……うん。

本当にありそうで、怖いんですけど。


「それは、困ります」


そんなことになったら、今度こそイギリスに強制送還されちゃうっ!

自分でもわかるくらいに、顔を引き攣らせていれば


「だから、一人で先に行くんじゃない」


腰に回されていた腕が離れ、するりと指を絡めとられた。