───あれから。
部屋に逆戻りした私は、ランスロットさんに神業のような速さでメイクを施され。
「完成です」
あっという間に、別人に化けた。
「早っ!」
相変わらずプロ顔負けのメイクの腕前に、思わず声を上げれば
「魁様を、これ以上お待たせするわけにはいかないでしょう」
冷ややかな視線を向けられる。
「あはは……」
返す言葉もありません。
そうですよね。
寝坊して、更に支度に時間が掛かるなんて言語道断。
これ以上、魁さんを待たせるわけにはいかないから。
「ランスロットさん、ありがとうございました!」
ランスロットさんにお礼を言って、今度こそ部屋を飛び出したら
「だから、部屋を飛び出してはならないと……!」
背後から掛けられた言葉には、どこか諦めたような溜め息交じりの声が聞こえてきたのだった。


