一瞬、何が起こっているのか理解できなかったけれど。
魁さんの顔が、目の前に迫ってきて。
唇に触れた柔らかな感触に、一気に頭がフル回転を始める。
「……っ……!?」
───え、うそ……
これ、夢じゃないっ!!
ぼやける視界に焦点を合わせて、離れていく美貌を凝視してしまう。
視線が交わったまま、固定していた体をゆっくりと解放すると
「目は覚めたか?」
「は、はいぃぃぃっ!」
飛び起きた私を見ながら、肩を揺らして笑う魁さんは
「くっくっ。下で待ってるから、支度が出来たら下りて来い」
絶対、二度寝はするなよ?と、釘を刺してから部屋を出て行った。


