Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】




ベッドの上で俺と同じように二人の会話を聞いていたマリアは、自分に向けられた視線に気づくと


「……穏やかな生活なんて、いらない」


兄さんの顔を真っ直ぐに見て


「日本で、普通の高校生活を送りたいだけなの」


もう一度、はっきりと自分の気持ちを伝える。

修が二人の間に入ったからなのか、落ち着きを取り戻したマリア。


「私の望みは、魁さんの傍にいること。それだけが、私の幸せだから」


そう告げた妹の顔は、今までに見たこともないような表情で。


「だってさ」


「……………………」


変わり果てた姿で泣いていた、あの時。

この先もずっと、兄さんと二人で大切に守っていこうと誓った小さな女の子は、いつの間にか一人の女性へと成長していた。