「……俺達がいなくても、屋敷にはランスロットや他の者達もいるから心配ない」
それでも意思を変えようとしない兄に
「君はまた、あの屋敷にマリアを閉じ込めるの?」
修の声は低くなる。
「閉じ込める?」
「危ないから心配だからって言うだけがイギリスに連れて帰る理由なら、君達がいなければスクールに通わせる事も出来ないじゃないか。卒業する年齢になるまでまた家庭教師でも雇って、この子をあの大きな屋敷の中で籠の鳥にでもするつもり?」
「それは……」
彼の更なる追及に
「ねぇ、マーク。ランスロット君がいるなら心配ないって言うけど、今回は彼も日本にいたよね? だったら、マリアはイギリスにいようが日本にいようが危険な目に合う確率に変わりはないんじゃないの?」
「……………………」
あの兄さんが、完全に口を閉ざしてしまった。


