Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】





「……何を、とは?」


視線だけを向けた兄に


「ケガ人を興奮させて、何をしているのかって聞いてるの。東雲先生に、安静にしているようにって言われたの忘れてないよね?」


確認するように問う修。


「あぁ、忘れてない」


「だったら、どうしてマリアを興奮させるような事を言うんだい?」


「……聞いてたのか」


「あれだけ大声出してたら、嫌でも聞こえるよ。下の階まで、二人の声が響いていたからね」


口調は優しいが、その目は兄さんの行動を責めていた。


「マリアを心配する気持ちは分かるけど、イギリスに連れて帰ってどうするんだい? さっきマリアも言ってたけど、マークもアルもほとんど屋敷に居ないでしょ」


確かに。

マリアや修の言うように、兄さんは仕事が忙しく、世界中を飛び回っていて屋敷に帰ってこれないことも多い。

かく言う俺も、大学に通いながら忙しい兄の仕事を手伝うことも多々あり、帰りたくても帰れない日々が続いていた。