「安全だと思っていた日本で、命の危険に晒されたんだ。しかも、セキュリティーの厳しいスクール内で拉致されて」
「……………………」
「またこんなが事件が起こったらと思うと、心配でお前を置いてイギリスに帰ることはできない」
マーク兄さんの言うこともわかる。
わかるけど。
「い、嫌っ!」
それでも私は、日本を離れたくない。
「マリア……?」
まさか私が反発するとは思っていなかったのか、驚いたように目を見開いたマーク兄さんだったけれど。
「私、イギリスになんて帰りたくないっ!」
「マリア……」
「イギリスでだって、同じようなことが二度もあったじゃない。だからマーク兄さんは、私を日本に留学させたんでしょう?」
「……………………」
「何処にいても危険な目に合うんだったら、私は日本にいたいの」
何よりも、魁さんと離れるなんて考えられなかった。


