「───本当に、もう大丈夫なのか?」
ゆっくりと開いた碧の瞳が私を見据える。
そこには妹を心配する気持ちと、イギリスに戻らなければならないという現実の間で心が揺らいでいる兄の心情が見て取れた。
───やっぱり、私の為に無理してる……
私の表情を窺いながら聞いてくるマーク兄さんに
「うん、大丈夫!」
笑顔で頷けば
「……そうか」
数秒の沈黙の後に、「わかった」と短い返事が返ってくる。
「……………………」
……今ので、ほんとにわかってくれたの!?
まさか、こんなにあっさりと納得してくれるとは思っていなかった私は、まじまじとマーク兄さんの顔を見ていたのだけれど。
「それならば、マリアも一緒にイギリスに帰ろう」
耳に届いたのは、一番聞きたくなかった言葉で。
「……え?」
顔からは、一気に血の気が引いていく。


