「事実を、ありのまま……」
魁さんの言葉を繰り返す。
私が暁さんにされた事を、本当にそのままマーク兄さんに伝えられていたとしたら……
問答無用で、イギリスに強制送還になるんじゃなかろうか。
スクールで虐められていた頃のように、私が傷つく事を何よりも恐れている兄さん達。
そんな二人のことだから。
強制送還になるだけじゃ、収まらないかもしれない。
今回の件に関して、暁さんが男達を使って私を襲わせたのは、自分が魁さんの婚約者になりたかったからで。
実際に、死ぬ寸前まで追い込まれてしまった。
「……………………」
魁さんには、何の落ち度もないけれど。
……もしも。
もしもその事で、魁さんと別れろなんて言われたりしたら……
どうしよう。


