魁さんの名前を呼んで驚いた。

寝起きの声は、自分でもびっくりするほど掠れていて。

声を出した喉は、張り付くようにヒリヒリと痛んだ。

思わず顔を顰めて、痛みを堪えていれば



「───マリア……?」


私の声が聞こえたのか、弾かれたように顔を上げた魁さん。

本当は、直ぐに返事をしたかったけれど


「……………………」


声を出すのが辛くて、答える代わりに無言で握られた右手に力を込めれば


「……っ、」


それに気づいた魁さんは、素早くベッドライトに手を伸ばす。