ふと目に入ったのは、吊るされている点滴のパック。
そこから伸びている管は、そのまま私の腕に繋がっていて。
点滴……
じゃあ、此処は病院?
そこまで思い至った時。
ベッドで眠っているのに、なぜか寒く感じた体。
その中で、唯一右手だけにほんわりと温かいぬくもりがある。
「…………?」
なんで、右手だけがあったかいんだろう?
不思議に思いながらゆっくりと視線を移せば、誰かが私の右手を握っているのが見えた。
“ 誰か ” なんて、顔が見えなくたってわかる。
だって、その大きな手は
「……か、いさ…ん?」
いつも私を優しく包み込んでくれる、大好きな人のものだったから。