「そこのソファーの下に、物的証拠が残ってるぜ」
「……………………」
蓮が顎でしゃくって場所を指し示せば、無言で近づいて行く赤羽。
「溶けかけた薬が転がってるだろ?」
その声に答えることなく一点をジッと睨みつけると
「親子で薬かよ。救いようがねぇな」
苦々しそうに呟いた。
あれだけうるさかった音楽は、いつの間にか止められていて。
部屋の窓から下の階を覗けば、抵抗して暴れていた『BLACK SNAKE』の奴らが次々とサツに連行されていくのが見えた。
「じゃあ、俺達も行くか」
「そうだな」
暁も引き渡したし、もう此処に用はない。
そう思って蓮と二人で歩き出そうとすれば
「おい。まだ話は終わってねぇぞ」
鑑識に指示していた赤羽が、こっちに振り向いた。