Wonderful DaysⅢ【野いちごバージョン】





それは、向かいに立っていた蓮も同じだったようで。

俺と視線を合わせると、無言のまま横に一歩移動する。

周囲の目から死角になった瞬間を狙って、利き腕の左拳を思い切り女の鳩尾に打ち込んだ。


「……っぐ」


苦しそうに呻く暁は口をパクパクと動かすが、声が漏れることはなかった。


「…かっ、は……」


俺の拳を受けても気絶しなかったのは、打ち込むポイントをほんの少しずらしたから。

気絶なんてさせるかよ。


「本当なら此処にはいない魁が、てめぇをぶん殴ってるところだ。魁も俺も蓮も、女を殴るなんてしたことねぇが、てめぇがマリアちゃんにやったことだけは絶対に許せねぇ」


この女には、どうしても言っておきたいことがあるんだ。