◇


(side:葵)


「……か、いっ……」


女から情報屋の話を聞き出している時に耳に届いたのは、苦しげに絞り出した声だった。

何だ?


「……マリア?」


俺よりも早くそれに反応した魁が、声の主へと振り向けば


「マリア!?」


明らかに様子がおかしいマリアちゃんが、座っていたソファーから崩れ落ちそうになっていた。


「どうした!?」


慌てて駆け寄った魁だったが



「からだ…が、へ、ん……」


「体……?」


「……っ、息、が…っ……」


「おい、マリアっ!」


そのまま意識を失ってしまったマリアちゃん。